大阪府議会平成27年2月定例会が2/23(月)に開会され会期は3/17(火)までの23日間です。
栗原議員の「大阪市廃止・分割構想について」のみ文字にしておきます。
動画は近日中にアップされると思いますので、聞き間違い等ご指摘願います。
栗原貴子議員:
(略)
次に、大阪市廃止・分割構想について、お尋ねを致します。
まず、協定書の事務分担について、お尋ねしたいと思います。
一昨年8月に開催された第6回法定協議会の資料で、
大阪における大都市制度の制度設計、いわゆるパッケージ案の事務分担案の中では、
施策ごとの広域、特別区の事務分担案の一覧表が示されています。
我々もその一覧表に基づいて、説明を受けたと記憶しています。
ただ、その中には現在の大阪市税である税の課税徴収についての事務分担が示されておりません。
政調会でも説明を受けた記憶がありません。
この事務分担がどうなっているのか教えていただきたいと思います。
また併せて、その事務分担により、大阪市から大阪府へ課税徴収事務が移管される税の
現在の大阪市税収に占める割合は、どのくらいになっているのかお示しください。
大都市局事務事業調整担当課長 榎下朋浩:
お答え致します。まず税の事務分担についてお答え申し上げます。
地方税につきましては、地方税法の定めるところによりまして、
大阪府の税として都道府県税に加え、都の特例の規定による法人市町村民税・固定資産税・特別土地保有税
都市計画税・事業所税の5税が大阪府の税となっております。
また、特別区の税と致しましては、個人市町村民税・市町村たばこ税・軽自動車税等とされております。
この分担に応じまして、大阪府と特別区がそれぞれ税の賦課徴収を行う事としております。
次に、大阪府の分担となります税が、大阪市の税収全体の何割を占めるかという事についてですけれども、
直近の決算年度でございます平成25年度で申し上げますと、
法人市民税や固定資産税など、先ほど申し上げました5税が合計約4,723億円、
大阪市全体の税収が約6,411億円ですので、割合は約74%という事になってございます。
栗原議員:
税の課税徴収という事務は、自治体運営の根幹となるべき事務であり、
課税権は地方公共団体に与えられた権限のうち、最も大きな、最も重要な権限であると私は思っております。
何故、その事務に関する分担が、このパッケージ案の一覧表では示されていなかったのか、お答えください。
榎下課長:
委員ご指摘の資料でございますけれども、これはパッケージ案の中におけます資料の一部で、
新たな大都市制度における新たな広域自治体・特別区の権限イメージという資料、表でございます。
で、この表につきましては、国の第30次地方制度調査会専門小委員会の資料でございます、
地方公共団体の主な役割分担の現状という資料などを参考にして作成したものでございまして、
都道府県・政令指定都市・中核市・特例市・一般市町村という、
そういった権限ごとにですね、主にどのような事務があるのか、
また、その事務分担がどのようになるのかという事を参考イメージとしてお示ししたものでございます。
で、この為その表におきましては、地方公共団体が実施する全ての事務を
網羅的に記載しているものではございません。
尚、パッケージ案の事務分担案の資料におきましては、
税務(固定資産税等)という事務が新たな広域自治体、即ち大阪府の事務である事を明示しておりますほか、
事務分担案の資料編におきまして、個人住民税・軽自動車税、及びたばこ税は特別区で課税するため、
関連事務を特別区で実施する事。
また、法人住民税・固定資産税・特別土地保有税・都市計画税・事業所税を
広域自治体で課税するため、関連事務を広域自治体で実施する事について明記しております。
更に、パッケージ案の財政調整案の資料におきましても、
法人市町村民税・固定資産税・特別土地保有税・都市計画税・事業所税を
新たな広域自治体が賦課徴収するという事を記載して、明らかにしているところでございます。
栗原議員:
まぁ全ての事務を網羅したものではないと、優秀な行政マンの常套句なのかなと思います。
勿論そうなんでしょうけれども、今参考にしたと仰っておられた地方公共団体の主な役割分担の現状
という資料を私も確認させていただきました。
確かに、課税徴収事務の分担は書かれてはいませんでしたけれども、
でも、その資料には書かれていない項目でも、一覧表に書いてある項目は沢山ありました。
例えば、犬・猫の引取り、遺跡の発見に関する届出の受理、こういう犬・猫の引取りという事務がね、
憲法でもその課税権が保障されている自治体の課税徴収事務よりも大事なのかと、
課税徴収事務は、我々議員に説明する必要もないような事務なのかと、
74%が大阪府に移管するというのにですよ。
これほど重要な事務が、このパッケージ案一覧表では実に小さな字で、
アリバイ作り、或いは申し訳程度にしか書かれなかった理由、
これからの議論を通じて、委員の先生方や理事者の皆さまにもご理解いただけるのではないかなと思っております。
さて、先ほどのご答弁によれば現在の大阪市税収の74%にもなる固定資産税・法人市民税などの
主要な税の課税権を大阪府が持つ事になります。
これはつまり大阪市域の議員が3分の1しか居ない議会で、これらの税目の水準、例えば税率を決定できる事になります。
これがどういう事かと言いますと、私は豊中市選出の府議会議員ではありますけれども、
例えば豊中市民税であるところの固定資産税・法人市民税の水準について
直接意思決定に関わる事は出来ません。
ところが、私が一票も入れて貰っていない大阪市域のみに課せられる本来市民税である、これらの税のあり方、
水準について意思決定に関わる事が出来ます。
そういう議員が府議会の大半を占めるという事です。
住民と行政と議会というのは、例えて言えばジャンケンのグー・チョキ・パーの関係なんじゃないかなと私は思っています。
行政は住民に対して、サービスを提供すると同時に課税権のような大きな権限を行使する事が出来る。
その行政のあり方を議会がチェックして意思決定をする。
そして住民は、自分たちの民意の代表者として議会議員を選挙で選出する。
橋下大阪市長が常々
「選挙で選ばれた公選職の決めた事が民意である、
気に入らなければ次の選挙で落としてくれれば良い」と仰っておられますけれども、
この大阪市廃止・分割構想では、特別区民にとっては、どれほど気に入らなくても、
どれほど不利な意思決定が行われても、
決して次の選挙で落とす事の出来ない議員が大半を占める議会で、
本来、市町村民税であるはずの税のあり方を一方的に決定される事になります。
それが将来に渡って半永久的に続くという事になります。
これでは住民・行政・議会のパワーバランスが大きく崩れると言わざるを得ません。
これは民主主義の根幹を揺るがす大問題ではないかと私は考えていますけれども、
大阪府としての見解を問います。
大都市制度担当課長 本屋和宏:
民主主義の根幹を揺るがす問題とのお尋ねでございますけれども、
現在、大都市地域における特別区の設置に関する法律に基づきまして、
特別区を設置する手続を行ってるという事です。
都区制度につきましても、大都市等に関する地方自治制度の一つとして地方自治法で定められているものでございます。
栗原議員:
答弁になってないと思います。
答弁の中では、都区制度は大都市等に関する地方自治制度の一つとして地方自治法で定められているものと、
なんかちょっと奥歯に物が挟まったような言い方も仰っておられたんですけれども、
これは要するに、東京都では何ら支障なく行財政運営が行われているじゃないかと仰りたいのかなあという気も致します。
仕組みは東京都と同じであっても、
状況は大阪府と東京都では文字通り天と地ほどの違いがある事は、
勿論ご承知で仰っておられるのだと思います。
東京23区の区民は都区制度によって不利益が生じたとしても、それを補って余りあるくらいの潤沢なお金があります。
起債許可団体である大阪府は、
仕組みをマネしたからといって、
不交付団体である東京都のようになれるわけがないんです。
何より東京都議会は、23区選出の議員が7割を占める議会です。
言わば23区の特別区民が東京都の大株主なんです。
東京都と23区は、ほぼ利害が一致しているという事です。
大阪とは全く状況が違います。
パネルをご覧いただきたいと思います。
今ちょっと私が問題にさせていただいている府税になるところの内の一つである法人市民税を
大阪市と府内、中核市とを比較したものです。
ご覧の通り上に行くほど負担が小さい。大阪市が一番上にあります。
大阪市が最も負担が小さいという事です。
ついでに申し上げておきますと、堺市をこの表の中に入れるのを忘れたんですけれども、
堺市は、二番目の東大阪市と全く同じ負担水準であります。
もう一つついでに申し上げておくと、私の地元の豊中市は一番下にあるんですけれども、
均等割・税割共に制限税率が適用されており府内最高水準の負担となっています。
中核市以外の市と比較しても大阪市の法人市民税は府内の最低水準にあります。
これが、大阪市が特別区に移行した場合には大阪府民税となり、
大阪府が賦課徴収をする事になります。
知事が口癖のように言っておられる言葉を借りれば、
大阪全体の利益を考えるのであれば、
特別区民にも府内のほかの市町村並みの負担を求めるのが
当然だという声が上がるであろう事は容易に想像ができます。
もっと言えば、法人市民税に限らず、
例え、どれほど不利で、どれほど理不尽な税を特別区民にだけ押し付けられたとしても、
先ほど指摘したように、特別区民が選挙で決して落とす事のできない議員が
大半を占める議会が決める事なので、
特別区民には為すべき手立てが何もないという事です。
そこで、お尋ねしますけれども、例えば税の賦課徴収で、
未来永劫に渡って特別区民に不利な意思決定が行われないという担保があるんでしょうか。
榎下課長:
税率に関する将来的な保証とのお尋ねだと思います。
それにつきましては、その時々の住民の代表であります知事と大阪府議会において、
適切に対応されるものと考えております。
尚、固定資産税など地方税の都における特例の規定に基づき、
府税となりますものの税率につきましては、特別区設置の際には大阪市の条例の例による事とされておりますので、
特別区設置直前の大阪市と変わらない設定が為される事になってございます。
栗原議員:
適切に対応されるものと考える、翻訳すれば要はそんな担保はないという事かと思います。
しかも、未来永劫どころかですね、大阪市域に課せられる、例えば法人市民税が
現在の大阪市の条例によるところの府内最低水準で適用される保証があるのは、
特別区の設置まで、つまり平成29年の4月1日までだという事です。
一般的に課税自主権は、日本国憲法92条、並びに94条を根拠として、
憲法により直接地方公共団体に与えられていると解釈されています。
この大阪市廃止・分割構想が実現してしまえば、
特別区と、その区民は、憲法でも保障された課税自主権が、実に4分の1にまで大幅に縮小され、
その事によって、大阪市域の住民は、
将来に渡って圧倒的に不利な立場に置かれる事になるであろう事は、先にもお示しした通りです。
これは、課税自主権と同時に、法の下の平等を保障している憲法の理念にも反するものではないかと
考えますけれども、大阪府としての見解をお伺いします。
大都市局大都市制度担当課長 白波瀨雅彦:
先生お示しの通り、憲法上地方公共団体の課税権が保障されておりますが、
税目や課税権者などの具体的な内容につきましては、地方税法によって定められております。
今回の税源配賦につきましては、この地方税法の都における特例の規定に基づいて、
地方村税の固定資産税・法人市町村民税・特別土地保有税・都市計画税・事業所税の5税を
大阪府の税源とするものでございます。
このように地方税法に基づきまして、大阪府が課税を行うものであり、
課税自主権上の問題が生じるものではないと考えております。
栗原議員:
例えどれほど不平等で、理不尽であっても、
法律に従っているから憲法の理念に反していないというのは、理屈になっていません。
少なくとも知事や橋下市長が声高に主張しておられるように、
大阪のあり方を住民自らに決めてもらおうと言うのであれば、
せめて、その事を誠実に、真摯に、十分に伝えなければならないはずです。
しかし、実際には先ほど見たように、我々議員に対してすら説明が不十分と言うよりは、
寧ろ隠していたとしか考えられないような、やり方をしていたと言わざるを得ません。
次に、視点を変えて質問をさせていただきたいと思います。
先の代表質問における、我が会派の花谷幹事長の質問により、
特別区設置後、WTCビルやゲートタワービルのような事が
再び起こらない保証は全くないという事が明らかになりました。
ただ、この時の答弁では、
大都市局理事が「設置目的や規模から見て特別区の事務には馴染まない」と答えておられ、
或いは知事も「このようなハコモノ事業について、止められる可能性は非常に高くなる」と答弁をしておられます。
何故このような事が言えるのか、その理由、根拠を教えてください。
本屋課長:
二重行政の発生の可能性が少なくなる理由とは、とのお尋ねでございますけれども、
特別区設置協定書では、大阪府は大阪都市圏の集積及び広がりを踏まえ、
大阪全体の成長、都市の発展、及び安全・安心に係わる事務などを担うとされているところでございます。
一方で、特別区は中核市並みの権限に加えて、指定都市権限や都道府県権限であっても、
住民に身近な事務は都道府県が担う事とされています。
このように大阪府と特別区の役割分担が明確になっています。
併せて、人口270万人の大阪市から人口35万人~70万の五つの特別区になる。
これにより住民の声をより身近で聞きながら、地域の実情を反映した施策が行われるようになる事が
理由として上げられるというふうに考えております。
栗原議員:
私がお聞きしたのは、例え協定書に役割分担が書かれてあったとしても、
法令上、二重行政の発生を規制する事が出来ないという事が先日明らかになったわけですよ。
にも拘わらず、馴染まないとか、二重行政が発生しにくくなると仰っておられるから、
その理由、根拠を聞いているんですよ。
だのに、その答えが役割分担が書かれてあるからというのでは、全く答えになってません。
禅問答してるわけじゃないんですよ。
また、人口規模が小さくなるから、住民の声をより身近で聞けるという理由についてもね、
代表質問で幹事長がお示しをしたように、地方に行けば人口数万人程度の小さな町立、或いは村立で、
分不相応な施設が設置された例は幾らでもあるんですよ。
そういう事を考えれば、人口規模が小さくなったからといって、
二重行政の発生を抑止できる理由には全くならない事は明らかです。
結局、我が会派がこれまで指摘してきたように、
大阪市を解体しなければ解消できないような二重行政はない。
尚かつ、大阪市を解体したとしても、新たな二重行政の発生を抑止する事は出来ない。
可能性は小さくなるという点についても、何ら論理的な根拠はないという事が分かりました。
二重行政を解消して、そこで生まれる財源を大阪全体の利益・発展に繋がる事業を
実施するというのが大阪市廃止・分割構想のキャッチフレーズ、宣伝文句です。
大阪市を廃止・分割しても二重行政の解消にはならないという事は、
しつこいようですけれども、念のため申し上げておきます。
ただ、一つお尋ねをしておきます。
ここで言っておられる大阪全体の利益・発展に繋がる事業というのは、一体何なんでしょう。
本屋課長:
特別区設置協定書におきましては、大阪都市圏の集積及び広がりを踏まえて、
大阪全体の成長、都市の発展、及び安全・安心に係わる事務等について、大阪府が担うという事としております。
このような広域自治体としての役割の元で、成長戦略等に基づき、必要な事業が実施されていくものと考えております。
栗原議員:
もっと具体的に答えていただきたいんです。
大阪全体の利益・発展に繋がる事業というのは、何なんでしょうか。
本屋課長:
成長戦略に基づき、国内企業等の戦略的な立地や投資活動の促進、
また、大阪における観光資源の強化とか、都市魅力の向上、
更に、うめきた二期開発やグランドデザイン・大阪の推進などの政策が進められるものと考えております
栗原議員:
これもね、代表質問で幹事長が指摘した事ではあるんですけれども、
大阪全体の利益・発展に繋がる事業というのが、果たして今具体的に仰られたような事業、
つまり、大阪府のど真ん中に位置する特別区のエリアに、
重点的に集中投資される事業ばかりなのかという点については、甚だ疑問があると言わざるを得ません。
現在の大阪府におかれている状況を鑑みると、二言目には財政状況が厳しいからという理由で、
大きな災害から府民の命を守るためのハード整備もままならない。
おまけに、大阪経済についてみましても、勇ましいのは掛け声ばっかりです。
商工労働予算は、本当に雀の涙です。
景気動向や雇用状況についても、軒並み全国ワーストレベルにあるというのが実態です。
こういう状況の中で、大阪全体の利益・発展に繋がる事業は何かという事を考えると、
例えば、インフラ整備などの府民の命を守る安全・安心に関わる事業ではないのか。
或いは、例えば現在、超過課税が適用されている法人府民税を減税するなど、
大阪全体の成長に寄与するような事業こそが、そうではないのかと私は考えるんですけれども、見解をお聞かせください。
本屋課長:
特別区設置協定書におきましては、先ほどお答え申し上げた通りでございますけれども、
大阪全体の成長、都市の発展、及び安全・安心に係わる事務等について、大阪府が担うという事にしておりまして、
そういう役割を果たしていくというものと考えております。
栗原議員:
パネルが変わりましたので、簡単なパネルですけれどもご覧ください。
大阪市が廃止・分割され、特別区が設置される事で、一体何が起こるのか、
ここで改めて考えてみたいと思います。
少なくとも知事や橋下市長が主張するような、
二重行政の解消によって新たな財源が生まれる事はないという点は、これまでにも我が会派が再三指摘している事です。
ただ、事務分担が変わる、
つまり、これまで大阪市が担っていた事務の内、一定のものが大阪府に移管される事で、
その事務に伴う権限と財源も大阪府が持つ事になるというのは、まぁ間違いないのかなと思います。
例えば、その代表例が先ほど見た税の課税徴収事務であり、
或いは本来、政令市の事務であるところの道路や河川の整備、
或いは、基礎自治体の事務であるところの内、
大阪府が担うものとされている下水道整備などのインフラ整備であると言えると思います。
税の課税徴収については、先ほども見たように、
事務分担と、それに伴い課税権という強大な権限が大阪府に移る事で、
現在は、府内最低水準であるところの大阪市民税が大阪全体の利益・発展を考えると、
さほど遠くない将来、府内の他の市町村並みの水準へと負担が増大するのではないかと、
その可能性は高いのではないかという点については、きっとご納得いただけるんじゃないでしょうか。
更にもっと言えば、大阪市民の負担増により増えた財源は、これも大阪全体の利益の為に使うんだとすれば、
先ほども確認させていただいたように、大阪府民税の超過課税を外し、
大阪全体の負担を軽減する事で、大阪全体の成長に寄与できる可能性は大きいのではないかと考えます。
さて、次に先ほども少し触れましたけれども、
協定書の事務分担では、政令市が担うべき道路や河川の整備、
そして、基礎自治体の事務である下水道整備も大阪府の事務として仕分けられています。
そこで府内のインフラ整備状況について、大阪市内と大阪市外を比較しながら確認してみたいと思います。
ご覧の通りというか、予想通りというか、
大阪市内のインフラ整備状況のほうが明らかに進んでいます。
何故このような状況にあるのかという点については、私がわざわざ申し上げる事もない事でしょうけれども、
大阪市がこれまで、西日本経済のエンジンとして、
更には政令市というスケールメリットを活かす事で、市民に大きな負担を求めなくても、
比較的潤沢な財源が確保できたからであろうという事は、十分考えられます。
では、これが大阪府に移管される事になるとどうなるのか、
ちょうどこの表を見ながら、ちょっと考えてみてください。
大阪府と大阪市の、まぁ境目、仕切りが無くなるという事ですね。間仕切りが無くなるという事です。
大阪全体の利益・発展を考えるのであれば、
府民の命を守るため、安全・安心のためには特別区のエリアよりも、
寧ろ整備状況の芳しくない地域へと投資すべきであるという意見が議会の3分の2を占める議員の声として、
当然出て来ると思います。
水が高いほうから低いほうへと流れるように、インフラ整備という事であれば、
恐らくかなり大きな財源が高いほうから低いほうへと、
つまり、大阪市内から大阪市外へと流れるんじゃないんでしょうかねぇ。
以上、見てきた事を簡単にお示ししたのが簡単なこの図なんですけれども、
つまり、大阪市を廃止・分割して五つの特別区を設置する事で、
一体何が起こるのかという事を私も一生懸命考えてみました。
これまで配付された資料をもう一度丹念に確認し直し、
これまでの議会での知事や府の答弁を一つずつ思い出しながら丁寧に考えると、こういう事になるんです。
大阪市の廃止・分割により、もしも本当に大阪全体の利益・発展に繋がるような事業を
実施するための財源が生まれてくるとすれば、
それは二重行政の解消によるものではなく、
本来は大阪市のお金であったものです。
特別区の区民の負担増、或いはサービスの低下によってしか生まれないという結論になってしまいます。
私は大阪府会議員ですから、勿論大阪全体の成長に寄与するための事業、
例えば、法人府民税の減税であるとか、府民の安全・安心に寄与するような事業、
例えば、整備状況の悪い地域へのインフラ投資であるとか、
出来る事であればやっていただきたいと思いますよ、そりゃあ。
ただ、私はこう見えて結構正義感が強いほうだと思っているので、
よその自治体のお金を騙し取るような、やり方をしてまでやったほうが良いとは決して思いません。
大阪市民にとって不利な事は一切伝える事なく、
寧ろ、こんなにええ事ばっかりありますねんと、何ら根拠のない空約束をしながら、
住民に決めてもらうんだと言って、住民に判断を求めるというのは、
欠陥商品を、欠陥商品だという事を重々知りながら、それを隠したまま、
法外な値段で売りつける詐欺商法と一体どこが違うって言うんでしょうか。
ただ、これ以上理事者の皆さんにお尋ねをしても仕方がないという事は、
私も承知していますので、続きは是非知事にお尋ねをしたいと思います。
これで私の質問を終わります。
以上です。
栗原議員のこの指摘は、市民に広く知らしめるべきですね。
「特別区民が選挙で決して落とす事のできない議員が、大半を占める議会が決める事なので、
特別区民には為すべき手立てが何もない」
「花谷幹事長の質問により明らかになった」と発言されているのは
2/27(金)大阪府議会 本会議での花谷充愉議員の質疑で ※質問概要
その部分を簡単にツイートしたところも含めて下記に。
花谷議員:
再度聞きます。
このような施設は、法令上どのような市町村でも実施可能で、
特別区でも実施出来るのではないでしょうか。いかがですか。
大都市局理事 阿形公基:
これらの施設整備は、法令に定められた事務ではございませんので、
制度として特別区で実施する事が出来ないというものではございません。
花谷議員:
つまり、出来るという事ですね。
この協定書によって特別区設置後、WTCビルとゲートタワービルのような事が
再び起こらないという保証はあるのですか。理事にお伺いします。
阿形理事:
特別区設置協定書に規定しております特別区と大阪府の事務分担の考え方を踏まえますと、
WTCビルやゲートタワービルの設置につきましては、その設置目的や規模から見て、
特別区の事務に馴染まないというふうに考えております。
花谷議員:
理事の考えを聞いてるんじゃないんです。
特別区で作ってはならないという規制があるのかどうかという事を聞いてるんです。
法令上、その規定があるんですか。
松井:
今、花谷議員から色々と負の遺産についてご質問ありましたが
要は結局、ああいうマイナスの、大マイナスの負の遺産を
大阪市議会が止めれなかったという事です。
やはりきちっとチェックが出来なかった。
(略)
花谷議員:
知事の思いを聞いてるん違うんですよ。
法令上そういう規制を出来るのかと、特別区に対して聞いてるんです。
更には、ゲートタワービルは府議会で決めてますよ。
だから、きちっと答弁してください。
ですから、知事に求めてるんじゃなくて、理事に求めてるんです。
阿形理事:
繰り返しになりますけれども、施設整備は法令に定められた事務ではございませんので、
制度として、特別区で実施する事は出来ないというものではございません。
花谷議員:
規制は出来ないと、はっきり答弁をいただきました。
(略)
2/27(金)大阪府議会
花谷議員⑨:損失と書かれた数字の合計は1兆3,642億円。これ全てが損失なんでしょうか
理事①:資料による損失の意味というのは承知を致しておりません。お尋ねの数字は資料に事業費用と記載されたものの合計だと理解 pic.twitter.com/zg4HjEzNdE
— toronyan (@toronyan_s) 2015, 2月 27
2/27(金)大阪府議会
花谷議員⑩:負の遺産とされた施設の損失は幾らですか
理事②:大阪市においてお示しの施設に係る損失額を取り纏めたり、公表したりした事はないものというふうに認識を致しております。また事務局としても、そうした分析は行っておりません
— toronyan (@toronyan_s) 2015, 2月 27
2/27(金)大阪府議会
花谷議員⑪:いい加減すぎますね。市長がああいうパネルを使って説明されると、市民は全額損失だと思っておられると思いますよ
— toronyan (@toronyan_s) 2015, 2月 27
2/27(金)大阪府議会
花谷議員⑫:東京・大阪一人当たりの負債残高を示したもの、大阪市廃止分割構想実現後、負債残高は劇的に減るのでしょうか。また新たに発行する起債は劇的に減るのでしょうか pic.twitter.com/JWcH9y5Xh6
— toronyan (@toronyan_s) 2015, 2月 27
2/27(金)大阪府議会
理事③:新たな大都市制度の実現によりまして既に発行の負債総額が直ちに減るという事にはなりませんけど、これまで発行された地方債は償還が進めば確実に減っていく事と。新たに発行する地方債は新たな役割分担の元住民サービスの適正化が図られる中で発行されていくものと
— toronyan (@toronyan_s) 2015, 2月 27
花谷議員:
今の答弁でね、特別区設置に伴いサービス水準は維持するという事ですが、
それでしたら行政需要は、劇的に変化しないはずです。
起債は減らないだろうと思いますが、理事いかがですか。
阿形理事:
協定書では、事務の承継にあたって住民サービスを低下させないように、
事務を引き継ぐ事とされているところでございます。
その上で、公選区長と区議会がそれぞれの特別区の実情に応じたサービスを
行っていく事になっていくというふうに思われますけれども、
地方債を活用する事業についても適切に判断されていくものというふうに考えております。
花谷議員:
住民サービスを低下させないとの答弁、これは変化しない、劇的に減らないという趣旨の答弁受け取れます。
もう少し明快に答えて欲しかったと思いますが、次に行きます。
知事・市長が大阪市廃止・分割構想を実現すれば、こうした施設投資の無駄が解消して、
損失も無くなり、負債が減るかのようなミスリードを繰り返し行って説明されているのはおかしい事です。(略)
◆平成27年2月定例会日程(2月23日から3月17日まで)
◆2月定例会提出議案・審議結果一覧
◆平成27年2月定例会代表質問概要
◆中継
◆会議録
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